「子供を一人産む度に何本かの歯がなくなる」
この言葉をご存知でしょうか?一見こじつけのように見えますが、一面の真理があります。


妊娠も歯肉の変化に影響あり!

 妊娠から出産は女性しか経験し得ない、まさに人生の節目の時期といえるでしょう。この時期においても口腔内の変化、つまり歯肉が赤くなったり、腫れたり、出血したりという症状がとても出やすい時期であり、この変化を見過ごしてしまうと、生まれてくる赤ちゃんの健康状態にも影響を及ぼしてしまうのです。

 妊娠すると胎盤の発育にともないプロゲステロンとエストロゲンが産出され、これらのホルモンは歯肉構内での濃度も上昇します。すると、これらの女性ホルモンを摂取することで増殖することで増殖するプレボテラ・インテルメディア菌の数が、妊娠12~13週目ごろになると妊娠初期の5倍にも増加します。このために、ごく少量のプラークや歯石の付着にも反応してしまうため、著しい歯肉炎の症状が出てしまいます。
 この妊娠期における変化を軽く考えてはいけません。これが、生まれてくる赤ちゃんに多大なる影響を及ぼすこともあるのです。




34歳妊婦。上顎犬歯部分に著しい炎症状の腫脹が見られます。


専門家による徹底的な治療と患者の努力により4ヶ月で改善


 妊娠した女性が喫煙したり、多量のお酒を嗜んだり、何らかの感染症にかかっていると、早産児や低体重児出産の可能性が高くなるのはご存知でしょうか?この胎児の健康を損なわせるリスクのひとつとして歯周病も関与することが考えるようになってきました。



歯周病が起因した早産児・低体重児出産比率
(健康な妊婦を1とした場合)
 どのような理由で妊娠の結果に歯周病が関わっているかという点では、更なる研究が必要になるのですが、歯周病も感染症のひとつであり、すべての感染症は、妊娠した胎児の健康を損なわせる危険因子のひとつであるということです。
 実際に妊娠した女性が歯周病にかかっていると、早産児や低体重児を出産する確立が7.5倍も高くなるという報告がなされています。



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