近年では、男性の更年期障害も注目されてきましたが一般的には、女性の方に多く見られます。更年期障害とは、更年期(とくに40-55歳頃)に見られる様々な不定愁訴や、社会的・精神的要素が重なりあい、その症状が重く、治療をしなくてはならないほどになった状態をいいます。ここまでならないまでも、更年期になると歯肉に痛みが走ったり、灼熱感をもったり、味覚の異常がおこったりと口腔内にも様々な症状があらわれます。唾液の分泌が著しく減少する口腔乾燥症(ドライマウス)を訴える女性もこの頃か多くなってきます。




口腔乾燥症と唾液の作用

 唾液には、口の中の食べかすなどを洗い流すとともに、その成分であるリゾチームやラクトフェリンなどの抗菌物質が口腔内の細菌の増殖を防ぐ作用などがあります。





 唾液が少なくなって口の中が乾くと、虫歯や歯周病を引き起こす細菌の活動が活発になり、炎症が進行し、口臭の原因にもなります。アメリカでは、口腔乾燥症のため10人の成人のうち3人がはを失っているという調査もあるほどです。


シェーグレン症候群の54歳の女性です。
舌乳頭、とくに糸状乳頭が萎縮し
赤い平滑な舌になっています。





シェーグレン症候群

シェーグレン症候群という涙線と唾液線の分泌低下などの症状とする自己免疫疾患がありますが、この全症例の9割以上が40-60歳代の女性に集中しています。割と多く目にする病気ですので、眼や口の乾燥が気になるようでしたら、眼科や口腔外科にて診察を受けられることをお勧めします。
 また、これはやや稀ですが、更年期性歯肉口内炎を起こす人もいます。この症状は歯肉が乾燥して、てかてか光った感じになり、容易に出血しやすく、歯肉の色は蒼白色から深紅色までさまざまで個人差があります。
 シェーグレン症候群の根治療法は残念ながら現在のところありません。基本的には病気は急速に悪化することはありませんので、病気と長くつきあいながら、口腔や眼の乾燥症状を緩和させる対症療法を行います。症例によっては漢方も効果的なようです。

シェーグレン症候群により
唾液が出ないため、
う蝕(むし歯)が急速に進行



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